【症例紹介】「精密根管治療」で挑む40代女性の根尖性歯周炎治療

  • 根管治療

Vol.122

皆さま、こんにちは。さとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。

当院には日々、「他の歯科医院で抜歯が必要だと言われた」「根の治療を何度も繰り返しているが、一向に良くならない」というお悩みを持つ患者様が多く来院されます。

歯は、一度抜いてしまうと二度と元には戻りません。インプラントや入れ歯といった優れた代換治療もありますが、やはり「自分の歯で噛める」ことに勝る喜びはありません。

今回は、「右上中切歯(前歯)」の根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)に悩み、当院の精密根管治療によって歯を残すことができた40代女性の症例をご紹介します。

1. 患者様のご相談と診断

患者様は40代の女性。「右上の前歯の歯ぐきが腫れ、違和感がある。以前から治療を繰り返しているが、再発してしまった」という主訴で来院されました。

レントゲンおよび歯科用CTによる精密検査の結果、「根尖性歯周炎」と診断しました。これは、歯の根の中(根管)に入り込んだ細菌によって炎症が起こり、骨を溶かしている状態です。

CT画像では、根の先に大きな「透過像(骨が溶けて黒くなっている部分)」が確認できました。前歯は見た目の印象を左右する非常に重要な部位です。抜歯を避け、いかに予後を良くするかが治療の大きな鍵となります。

2. なぜ「精密根管治療」が必要なのか?

従来の根管治療は、歯科医師の「手先の感覚」に頼る部分が多く、複雑に分岐した根管内の細菌を取り残してしまうリスクがありました。当院では、成功率をできるだけ高めるために、以下の5つに配慮した「精密根管治療」を行っています。

① ラバーダム防湿(無菌的な環境作り)

根管治療の天敵は、唾液に含まれる細菌です。ラバーダムというゴムのシートを歯に装着し、治療部位を完全に隔離することで、細菌の侵入をシャットアウトします。

② マイクロスコープ(歯科用手術顕微鏡)

肉眼の最大20倍以上に視野を拡大します。暗くて細い根管内部を直接確認しながら治療できるため、細菌の見落としや取り残しを防ぎます。

③ ニッケルチタンファイルと超音波チップ

非常に柔軟なニッケルチタン製の器具を使用し、複雑な形の根管を傷つけずに清掃します。また、超音波チップによって微細な汚れを弾き飛ばし、根の隅々まで洗浄します。

④ エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)

当院の大きな特徴の一つが、レーザーによる根管洗浄です。レーザーのエネルギーで根管内の水分を爆発的に蒸発させ、その衝撃波で細かい枝分かれに入り込んだ細菌まで徹底的に殺菌・滅菌します。

⑤ MTAセメントによる根管充填

治療の仕上げには、世界的に評価の高い「MTAセメント」を使用します。高い封鎖性と生体親和性を持ち、さらに強アルカリ性による持続的な殺菌効果と骨の再生を促す効果がある、理想的な充填剤です。

3. 治療経過と結果

精密な根管清掃とレーザーによる滅菌、そしてMTAセメントによる緊密な封鎖を行いました。

治療から1年4ヶ月後のCT画像をご覧ください。 「術前」にあった根の先の大きな黒い影(溶けてしまった骨)が、「術後」には白く再生しているのがはっきりと分かります。

患者様の違和感や腫れも完全に消失し、現在もご自身の歯で美味しく食事を楽しまれています。

4. 院長からのメッセージ:歯を諦める前に、ご相談ください

「根の治療は時間がかかる」「どうせまた再発する」と思われている方も多いかもしれません。しかし、今回のような機器と材料、そして精密な手技を組み合わせることで、抜歯を宣告された歯でも救える可能性は十分にあります。

私たちは、地域のみなさまの大切な歯を1本でも多く残したいと考えています。前歯の悩み、繰り返す根の痛み、抜歯の不安。どんなことでも構いません。まずは一度、さとう歯科クリニックへご相談ください。

あなたの「一生自分の歯で噛む」ためのパートナーとして、全力で治療にあたらせていただきます。

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■ 精密根管治療の概要

  • 治療名精密根管治療(再治療含む)

  • 治療費(税込):99,000円 〜 132,000円

  • 治療回数:1〜3回(症例により変動あり)

  • 担当医:佐藤 公麿(日本歯周病学会専門医・指導医)

 

■ 治療のリスク・注意点

  • 治療後に一時的な痛みや違和感を感じることがあります

  • 根の形状によっては完全な治癒が難しいケースもあります

  • 補綴(クラウン等)を行わないと再感染のリスクが高まります

  • 再治療が必要になる場合もあります

 

※本症例の写真および画像は、患者様ご本人の同意を得た上で掲載しております。

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