Vol.123
みなさま、こんにちは。さとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。
2026年6月初旬、イタリア・フィレンツェで開催されたCortellini Perio Academy「Advanced Training Workshop – Periodontal Regeneration Revisited」に参加してきました。
今回の研修は、私にとって歯科医師人生の中でも特別な経験となりました。
歯周病専門医として日々診療を行う中で、「より多くの歯を残したい」「世界最高レベルの治療を患者さんへ届けたい」という想いを持ち続けています。その答えを求めて、世界的な歯周病学の第一人者であるPierpaolo Cortellini先生のもとで直接学ぶ機会を得ることができました。
世界中から歯科医師が集まる研修
今回のコースには、日本全国から歯を守りたいという熱い想いを持った歯科医師・獣医師が参加していました。
また、このコースには世界各国の歯科医師が、Pierpaolo Cortellini先生の卓越した技術と治療哲学を学びに集まります。
共通していたのは、
「歯を残す治療をさらに極めたい」
という熱意です。
英語で行われる講義は決して簡単ではありませんでしたが、それ以上に学ぶ内容の濃さに圧倒されました。
講義だけでなく、
- 症例検討
- 外科手技の考え方
- 術式選択の根拠
- エビデンスの読み解き方
まで徹底的に議論され、非常に刺激的な3日間となりました。
Cortellini先生から直接学ぶという贅沢
歯周病治療を学んでいる歯科医師であれば、一度は論文で目にする名前がCortellini先生です。
先生が長年築き上げてきた歯周組織再生療法は、現在の世界標準ともいえる存在です。
教科書だけでは分からない
- なぜその切開を選ぶのか
- なぜその縫合なのか
- なぜその判断をするのか
その一つひとつを直接聞くことができました。
「技術」だけではなく、
治療哲学
まで学べたことが何より大きな財産です。
修了証を直接受け取る瞬間は、とても感慨深い時間でした。
世界トップレベルの再生療法を学ぶ
今回のテーマは
「Periodontal Regeneration Revisited (歯周組織再生療法の再考)」
でした。
現在では再生療法は単に材料を使用する治療ではありません。
重要なのは
- 適切な症例選択
- 軟組織マネジメント
- 血餅の安定
- 縫合による創傷閉鎖
- 術後管理
これらすべてを高いレベルで行うことです。
特に印象的だったのは、
「成功率を上げるためには、術式そのもの以上に診断力が重要である」
という考え方でした。
私自身も日頃から歯周再生療法を行っていますが、今回学んだ内容を取り入れることで、さらに予知性の高い治療が提供できると確信しています。
学びだけではなく、フィレンツェという街から受けた刺激
研修の合間には、フィレンツェの街を歩く時間もありました。
夕暮れのアルノ川に架かるヴェッキオ橋は、言葉では表現できないほど美しい景色でした。
街全体が美術館のようで、
歴史、文化、芸術が日常の中に自然と溶け込んでいます。
また、ウフィツィ美術館では、ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》を鑑賞しました。
教科書でしか見たことのなかった作品を目の前にすると、その迫力と繊細さに圧倒されます。
さらに、シニョリーア広場やヴェッキオ宮殿周辺を歩くことで、ルネサンス文化が生まれた街の空気を肌で感じることができました。
医療も芸術も、
細部へのこだわりが完成度を大きく左右するという点では共通しているように感じます。
学んだことを岡山へ持ち帰る
海外研修の価値は、
「行くこと」
ではなく、
「持ち帰って日々の診療へ還元すること」
だと思っています。
今回学んだ内容は、
- 歯周組織再生療法
- 根面被覆術
- 軟組織マネジメント
- 切開・縫合技術
- 術前診断
など、当院で日常的に行う治療へすぐに反映できる内容ばかりでした。
一人でも多くの患者さんが
「抜歯しかないと思っていた歯を残せた」
そう感じていただける治療を目指して、今後さらに技術を磨いていきたいと思います。
最後に
医療は日々進歩しています。
だからこそ、現状に満足することなく、常に最新の知識と技術を学び続ける姿勢が大切だと考えています。
今回のイタリア研修は、単なる海外セミナーではなく、歯周病専門医として今後の診療の方向性を再確認できた貴重な機会となりました。
この経験を、岡山で診療を受けてくださる患者さん一人ひとりへ還元し、「できるだけ歯を残す」「長く健康なお口を維持する」ための治療につなげていきます。
これからも国内外を問わず積極的に学びを続け、より質の高い歯科医療を提供できるよう努めてまいります。








