院内研修会:根面被覆術

  • 歯周病治療

Vol.72 みなさま、こんにちは。岡山市南区妹尾のさとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。

 

当院では各歯科医師の治療レベル向上のため、毎日診療後に歯科医師間でその日の治療について口腔内写真やX線写真などを見ながらディスカッションをしたり、治療技術向上のために定期的に診療後に院内研修会を行なっています(院内研修会では、当院の勤務医以外にも縁のある先生にもご参加頂き、少しでも若い先生の研鑽の場になれればとの思いから、比較的門戸を広くしています)。

 

3月の院内研修会では、実際の患者さまにご協力頂き、院長である私の指導のもと、Opeをしながら実際の手技のポイントや術式、考え方などをレクチャーしながら、勤務医の先生に結合組織移植を用いた根面被覆術を実際に行なって頂きました。

 

 

当院では、術前・術中・術後とステップ毎に写真で記録をとらせて頂き、治療経過を評価したり、治療手技をより質の高いものにするための記録として残させていただいています。

最近では、歯科用顕微鏡に付属のカメラなど、動画を撮影することも容易になり、その動画を見てフィードバックもできますし、診療技術を習得するためには非常に良い環境になってきていると感じます。

 

 

今回の症例は、20歳代の男性で、右上犬歯と側切歯の歯肉退縮が気になるとの主訴で治療をさせて頂きました。

 

術式としては、

①すでに歯頸部にされていたコンポジットレジンをブラックライトを照射しながら取り残しがないように除去した上で、歯科用顕微鏡下で根面のデブライドメントを行いました。ブラックライトを照射すると、コンポジットレジンが青く光るので、取り残しを防ぐことができます。

②表面麻酔後に局所浸潤麻酔を十分行いました。

③部分層弁にて右側中切歯近心から第一小臼歯遠心部までを、慎重に歯肉-歯槽粘膜境を超えて歯肉を剥離し、フラップを歯冠側に移動させることができるようにしました。

④右側口蓋から組織を採取して遊離歯肉移植片と結合組織移植片に切り分け、遊離歯肉移植片はドナー側にそのまま戻して縫合を行いました(このようにすることで、術後の痛みを軽減でき、治癒も促進することができます)。

⑤根面を生理食塩水で洗浄後にガーゼにて乾燥させた後に、治癒促進およびセメント質の形成を期待してエムドゲインゲルを塗布しました。

⑥結合組織移植片を吸収性の縫合糸で縫い付け、歯肉を目標とする歯肉ラインよりも歯冠側に位置づけて治療終了となりました。

 

術前に十分ディスカッションを行い準備をして臨んだ手術だっただけに、予定通りの仕上がりで治療を終えることができました。ご協力を頂いた患者さまに感謝・感謝・感謝です。

 

 

お口の健康を守り、人生を健康で豊かに。

さとう歯科クリニックでは、より精度の高い治療を行い、患者さまの健康で豊かな人生のお役に立てるよう、今後も様々な研修を行っていきます。

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