【症例紹介】重度の歯周病で歯の保存を目指した症例|歯周組織再生療法

  • 歯周病治療

Vol.126

こんにちは。岡山市南区妹尾のさとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。

歯周病が進行すると、歯を支える骨が少しずつ失われ、歯がぐらついたり、抜歯が必要になったりすることがあります。今回は、重度の歯周病と診断された患者さんに、歯周基本治療と歯周組織再生療法を行い、現在も定期的なメインテナンス(SPT)で経過をみている症例をご紹介します。

 

患者さんの初診時の状態

  • 年齢・性別:64歳(初診時)、男性
  • 初診:2021年12月
  • 主訴:重度の歯周病があり、前の歯科医院で、歯周病の治療をするなら抜歯をして入れ歯になる可能性があると説明を受けた
  • 診断:広汎型慢性歯周炎 ステージⅣ、グレードC

初診時、左下の犬歯(左下3番)には最大15mmの歯周ポケットがありました。健康な歯ぐきの溝(歯周ポケット)は1〜3mm程度とされており、15mmはかなり進行した状態です。

ステージⅣは歯周病の進行度が最も高い段階を、グレードCは進行のスピードが速い、または速くなる可能性があることを示す分類です。

初診時(2021年12月)のX線写真。歯を支える骨が大きく減少している。

治療の流れ

1. 歯周基本治療(約1年2ヶ月)

最初に行うのは、歯周病の原因である歯垢(プラーク)や歯石を取り除き、ご自宅でのブラッシングを整える歯周基本治療です。歯科衛生士による歯石除去とブラッシング指導を繰り返し、歯ぐきの炎症を落ち着かせていきます。

この患者さんは、歯周基本治療に約1年2ヶ月をかけて丁寧に進めました。

2. 歯周組織再生療法(2023年2月)

歯周基本治療のあとも深い歯周ポケットと骨の欠損が残った左下3番に対し、2023年2月に歯周組織再生療法を行いました。

歯周組織再生療法は、歯周病で失われた歯を支える骨などの組織の回復を図る外科治療です。局所麻酔下で歯ぐきを開き(extended flap、MPPT)、歯根の表面の感染した組織や歯石を取り除いたうえで、骨が失われた部分に、歯周組織再生剤のリグロスと、骨補填材のサイトランスグラニュールを併用して、組織の再生を促します。

※再生の程度は、骨欠損の形、口腔内の清掃状態、全身状態、喫煙習慣など、さまざまな条件によって異なります。すべての歯に適応できる治療ではありません。

3. サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)

治療後は、歯周病の再発を防ぐため、定期的なメインテナンス(SPT)に移行します。この患者さんは現在もSPTを継続中です。

 

治療後の経過

初診から約2年で治療全体が一区切りとなり、現在は術後3年半が経過しています。初診時に15mmあった歯周ポケットは、現在は3mm以下になっています。

 

術後2年1ヶ月(2025年3月)のX線写真。初診時と比べ、骨の状態の変化が確認できる。

この結果は、患者さんご自身が毎日のセルフケアを続けてくださったこと、そして定期的にメインテナンスに通ってくださったことの積み重ねです。ただし、治療の経過や結果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。

 

治療期間・回数・費用

治療期間 歯周基本治療に約1年2ヶ月、治療全体で約2年(現在もSPT継続中)
歯周組織再生療法の費用 1ブロック 110,000円(税込) ※自費診療
担当医 院長 佐藤公麿

※歯周基本治療など、保険診療の費用は、保険の自己負担割合に応じて異なります。
※再生療法の適応や、治療回数・費用の総額は、検査のうえで診断し、事前にご説明します。

 

主なリスク・副作用

歯周組織再生療法には、次のようなリスクや副作用があります。

  • 術後に、痛み・腫れ・出血が出ることがあります。
  • 治療後に歯ぐきが下がり、歯が長く見えたり、知覚過敏が出たりすることがあります。
  • 期待した組織の再生が得られない場合があります。
  • 清掃状態が悪い場合や、メインテナンスを中断した場合は、歯周病が再発する可能性があります。
  • 使用する薬剤・材料(リグロス、サイトランスグラニュール)によって、まれにアレルギー反応や炎症が起こる可能性があります。

歯周病でお悩みの方へ

歯周病は、自覚症状が少ないまま進行しやすい病気です。「歯がぐらぐらする」「歯ぐきから血や膿が出る」「歯周病と言われて不安」という方は、お早めにご相談ください。

さとう歯科クリニックは、歯周治療をベースにした予防管理型の歯科医院として、岡山市南区妹尾で、できるだけ歯を残すための治療とメインテナンスに力を入れています。

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