Vol.125
みなさま、こんばんは。さとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。
先日、岡山大学歯周病態学分野 同門会臨床講演会において、講演をさせていただく貴重な機会をいただきました。
私自身が大学院生時代から学び、多くの先生方に育てていただいた岡山大学で、同門の先生方を前にお話しさせていただくことは、大変光栄であると同時に、身の引き締まる思いでもありました。
今回の演題は、
「当院における歯周治療 ― エビデンスと臨床経験を踏まえた歯の保存戦略 ―」
でした。
日々の診療の中で私が大切にしている「できる限り天然歯を保存する」という考え方を軸に、歯周治療の基本から外科治療、そして長期的なメインテナンスまで、実際の症例を交えながらお話ししました。
歯科医療は日々進歩しています。新しい材料や治療技術が次々と登場する一方で、その治療が本当に患者さんにとって価値のあるものかどうかを判断するためには、科学的根拠(エビデンス)と臨床経験の両方が欠かせません。
今回の講演では、その二つをどのように診療へ落とし込み、患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を立てているのかについて、私自身の考えをお伝えしました。
「歯を残す」という選択肢
近年、インプラント治療は非常に高い成功率を示しており、多くの患者さんにとって有効な治療法となっています。
しかしその一方で、「抜歯するしかない」と考えられていた歯でも、歯周組織再生療法やマイクロサージェリー、精密な歯周基本治療などを組み合わせることで、長期にわたり機能させることができる症例も数多く報告されています。
当院では、「歯を残せる可能性があるのであれば、まずその可能性を十分に検討する」という姿勢を大切にしています。
もちろん、すべての歯を無理に保存することが正しいわけではありません。
長期予後を十分に考慮した上で保存が困難と判断される場合には、抜歯やインプラント治療をご提案することもあります。
重要なのは、「残す」か「抜く」かではなく、その患者さんにとって最も良い長期的な結果を得られる治療を選択することだと考えています。
学術と臨床をつなぐ
大学で行われている研究は、未来の歯科医療を支える重要な財産です。
一方で、地域の歯科医院では、患者さん一人ひとりのお口の状態や生活背景、ご希望を考慮しながら治療を進めていく必要があります。
そのため、エビデンスをそのまま当てはめるだけではなく、「実際の臨床ではどう応用するのか」という視点が欠かせません。
今回の講演では、論文から得られる知見をどのように日常診療へ活かしているのか、また実際の臨床経験から得られた気づきをどのように治療へ反映しているのかについてもお話ししました。
大学と地域医療をつなぐ存在として、このような発表の機会をいただけたことを大変嬉しく思っています。
活発な質疑応答
講演後には、多くの先生方からご質問やご意見をいただきました。
同じ歯周病治療に携わる先生方だからこその鋭いご指摘や、多角的な視点からのディスカッションは非常に有意義で、自分自身の考えを改めて整理する機会にもなりました。
発表は「知識を伝える場」であると同時に、「自分自身が最も学べる場」でもあります。
講演を準備する過程で改めて文献を読み直し、自院の治療成績を振り返り、診療方針を見つめ直すことができたことも、大きな収穫でした。
恩師・同門の先生方への感謝
講演後には、同門会長先生より感謝状を頂戴しました。
学生時代からご指導いただいた先生方、大学院時代を共に過ごした先生方、そして現在も第一線でご活躍されている先輩・後輩の先生方と再会できたことも、大変嬉しい時間でした。
歯科医師になってからも学びは終わることがありません。
このような同門会を通じて世代を超えて知識や経験を共有できることは、岡山大学の大きな財産であり、地域医療の発展にもつながるものだと感じています。
このような貴重な機会をいただきました岡山大学歯周病態学分野の先生方、同門会役員の皆様、そしてご参加いただいた先生方に心より御礼申し上げます。
学びを地域医療へ還元するために
さとう歯科クリニックでは、「患者さんの歯をできる限り長く守ること」を診療理念の一つとしています。
そのためには、日々の診療だけでなく、学会や講演会への参加、最新論文の読解、そして今回のような講演活動を通して、自らの知識や技術を常にアップデートし続けることが重要だと考えています。
私たちはこれからも、科学的根拠に基づいた質の高い医療と、患者さん一人ひとりに寄り添う丁寧な診療の両立を目指し、地域の皆様に信頼していただける歯科医院であり続けられるよう努めてまいります。
今後も研鑽を重ね、その成果を日々の診療に還元し、患者さんのお口の健康と豊かな人生に貢献できるよう、一歩ずつ歩んでまいります。
最後になりましたが、このたび講演の機会をいただきました岡山大学歯周病態学分野同門会の皆様に、改めて心より感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



