【症例紹介】右下前歯に対する歯周組織再生療法(60代・女性)

  • 歯周病治療

Vol.107

みなさま、こんばんは。さとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。

今回は、右下の前歯(#41)に歯周組織再生療法を行った60代女性の症例をご紹介いたします。

(臨床写真の掲載については、患者さまに掲出の同意を得ております。)


初診時の状態

 

患者様は「歯ぐきが腫れて出血する」「前歯が少し動くようになった」との主訴で来院されました。

初診時のレントゲンでは、右下中切歯の周囲に骨の吸収が深く進んでいる所見が認められました。歯周ポケットも最大12mmと深く、重度歯周炎に分類される状態でした。

このまま放置すると、歯を失うリスクが高いため、まず歯周基本治療(歯石の除去、噛み合わせの調整、日常の清掃指導など)を行い、その後に歯周組織再生療法を計画しました。

 


治療内容

 ・担当医:佐藤公麿

 ・治療期間:約1年間

 ・治療内容:歯周基本治療後に、右下中切歯(#41)に対して歯周組織再生療法を施術

 

歯周組織再生療法とは、失われた歯槽骨や歯根膜などを再生させることを目指す治療です。専用の薬剤や移植材を用いることで、従来なら抜歯と判断されるような歯を保存できる可能性があります。


治療の経過

 

術後は一時的に腫れや出血が見られましたが、適切なケアにより数日で落ち着きました。

定期的にメンテナンスを行いながら経過を観察したところ、1年後の時点で歯周ポケットは3〜4mmまで改善し、レントゲン上でも骨の回復が確認できました。

初診時にはグラグラしていた歯も安定し、患者様は「自分の歯で噛める喜びを取り戻せた」と大変喜ばれていました。

 


費用について

 

歯周基本治療や再評価などは保険診療の範囲内で行うことが可能です。

一方で、歯周組織再生療法は使用する薬剤や術式によって自由診療となる場合がございます。

  • 保険適用内の治療:保険の範囲内で収まります

  • 歯周組織再生療法(自由診療):110,000円(税込)

 

当クリニックでは、患者様の状態やご希望を十分に伺ったうえで、最適な治療プランをご提案しております。


リスクと注意点

 

歯周組織再生療法には、以下のような副作用やリスクも伴います。

  • 一時的な出血や腫れ

  • 治療効果には個人差があり、全ての患者様に同じ結果が得られるわけではない

 

しかし、当クリニックでは一人ひとりの状態に合わせて丁寧な治療を行い、術後のフォローやメンテナンスも徹底しています。ご不安な点があれば、いつでもご相談ください。


まとめ

 

今回の症例では、重度歯周炎で歯を失う寸前だった歯を歯周組織再生療法によって保存することができました

歯周病は進行するまで自覚症状が乏しいため、「もっと早く来ればよかった」とおっしゃる患者様も少なくありません。

もし「歯ぐきから血が出る」「歯がグラつく」「歯ぐきが下がってきた」などの症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。早期に正しい治療を行うことで、大切な歯を守る可能性が広がります。

 


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