無理なく始める子どもの矯正治療:プレオルソ

  • 矯正歯科

Vol.60 みなさま、こんばんは。院長の佐藤公麿です。

 

先日、1歳半健診を担当したのですが、今の子どもたちはむし歯が減って予防が根付いてきているなぁと感じる一方で、

歯並びが悪かったりお口の機能が低下している子が非常に多くなっているなぁと、昔との変化を感じました。

 

昔に比べると、現代では食生活が大きく変化しており、食べ物の軟食化が進んでいます。

その結果、あまり噛まなくても飲み込めるため、食べ物をよく噛まずに飲み込む子どもが増えています。そのため、顎骨への刺激が減って十分な成長が促されず、結果として歯並びが悪くなる子どもが増えているのではないかと思います。

 

食生活と身体の退化 – 先住民の伝統食と近代食 その身体への驚くべき影響 –

W.A. PRICE著 片山恒夫 / 恒志会 訳 

 

上記の書籍には、先住民の方々の食生活が伝統食から近代食に変化することによって、

今まで歯並びがきれいでむし歯も歯周病もないお口だった方々が、

歯並びがガタガタになりむし歯や歯周病が多発している写真が数多く掲載されています。

この書籍を読んで、体全体の健康はもちろんのこと、お口の健康のためには食事が本当に大切だなぁと痛感しました。

 

さて、当院では幅広い年齢層の方々にお越しいただいており、

その中でもお子様を含めご家族で通院していただいている方がとても多くいらっしゃいます。

数年前からお子様の歯並びに関する相談が増え、当院でもお口の健康のためにできることをしたいと考え、

機能的マウスピース型矯正のプレオルソ(https://こども歯ならび.com)を導入しております。

(現在は、プレオルソ以外にも拡大床やリンガルアーチ、ワイヤーによる矯正治療も対応しています)

 

それでは、本日の症例です。

7歳の女の子で、前歯の歯並びと見た目が気になるとのことでご相談を受けました。

矯正専門医へ紹介しての治療についてもお話をさせて頂きましたが、ご相談の上当院でプレオルソによる治療を行うこととなりました。

 

プレオルソを用いた治療では、起きている時に最低1時間と寝ている時にプレオルソをお口の中に装着して頂きます。最初、大きなものがお口の中に入ったように感じて、マウスピースをお口に入れたままで唾液を飲み込んだり、お口を閉じたり、喋ったりするのにひと苦労する子もいます。

しかし、プレオルソをお口に入れた状態で唾液を飲み込んだり、お口を閉じたり、喋ったりすることで、お口の周りの筋肉に刺激を与え、とても良いトレーニングになります。

このトレーニングによってお口の周りの機能が高まり(飲み込みが強くなったり、口で呼吸していた子が鼻呼吸になったり)、結果として歯並びも整ってきます。

 

本症例では、プレオルソの使用に加えて、上唇小帯の高位付着があったため小帯切除も行いましたが、基本的にはしっかりプレオルソを使用してくれたおかげで歯並びも変わり、お口の印象が大きく変わりました。

まだ歯並びはこれからも生え変わりとともに変化していきますし、ワイヤー矯正をすれば前歯の並びももう少し左右対称でよりキレイにできるかもしれませんが、プレオルソを用いた現時点での治療効果に、お子様とご両親共に大変喜んで頂いており、私としても良い経過と言えるのではないかと考えています。

プレオルソ装着後は2ヶ月毎に定期検診を行っていきますが、今後も注意深く経過を見ていきたいと考えています。

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【担当医】

佐藤公麿

【治療期間】

約2年6ヶ月間

【治療内容】

機能的マウスピース型矯正であるプレオルソを使用。上唇小帯高位付着に対して小帯切除も行いました。

【費用】

機能的マウスピース型矯正:プレオルソ 自由診療  88,000円(税込)

【リスク・副作用】

・使用当初、マウスピースを入れることで粘膜に当たって痛いことがあり、調整が必要なことがあります。

・歯科医師の指示のもと、必要な時間(日中1時間と就寝中)プレオルソを使用していただかないと、十分な治療効果が得られません。

・重度の鼻閉がある場合は使用ができないので、治療前に耳鼻科の受診をお勧めしています。

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(臨床写真の掲載については、患者さまに掲出の同意を得ております。)

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