Vol.101
皆様、こんばんは。さとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。
「矯正治療で歯並びは整ったけれど、歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになった…」
このようなお悩みを持つ方は、少なくありません。
今回は、20代女性の患者さまに行った「結合組織移植術(上皮下結合組織移植術)」による歯肉退縮の治療症例をご紹介します(患者さまに症例掲載の許可を頂いています)。
■矯正後に起きる「歯肉退縮」とは?
矯正治療によって歯が前方へ動くと、歯を支える骨や歯ぐきが薄くなることがあります。
その結果、**歯根が露出し、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」**が起こることがあります。
とくに前歯部の退縮は、見た目の左右非対称や歯の長さの違和感につながり、審美的な悩みの原因になります。
■症例:20代女性の歯肉退縮に対する治療
患者さまは、矯正終了後に右上小臼歯の歯ぐきが大きく下がったことに気づき、ご相談をお受けしました。
「人と話すときや笑ったときに、歯が長く見えてしまって気になる」とのお悩みでした。
下の写真は、治療前と術後1ヶ月の比較です。
術後1ヶ月で、自然なラインにまで歯ぐきが回復しています。
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■治療法:結合組織移植術(CTG)
この症例では、**上皮下結合組織移植術(Subepithelial Connective Tissue Graft)**を選択しました。
これは、上あごの内側(口蓋部)から歯ぐきの一部=結合組織を採取し、歯ぐきが下がった部位に移植する方法です。
顕微鏡下で丁寧に施術することで、審美的にも機能的にも自然な歯肉ラインを再建することが可能です。
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■術中の様子と治癒経過
下の図は、実際の治療ステップを示したものです。
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口蓋から結合組織を採取
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歯ぐきの下に移植し、縫合
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術後2週間で上皮化が起こり、傷口は閉鎖
このように、術後の痛みや腫れも最小限に抑えられ、自然な仕上がりになっていきます。
■治療費・担当医
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治療内容:上皮下結合組織移植術(自由診療)
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費用:110,000円(税込)
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治療期間:2回(初回カウンセリング+手術・経過観察)
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担当医:佐藤公麿
- 全ての症例で同じ結果になるわけではなく、個人差があります。また、術後には出血や歯肉の腫脹が生じることがあります。
■歯ぐきが下がって気になる方へ
「歯ぐきが下がって見た目が気になる」
「知覚過敏が出てきた」
「矯正が終わったのに審美的に満足できない」
そんなお悩みをお持ちの方は、歯ぐきの再建治療が有効です。
当院では、歯周形成外科に精通した専門医がマイクロスコープ下で精密な処置を行っています。
■まとめ:歯肉退縮は治療可能です
矯正後の歯ぐきの悩みも、適切な診断と治療により改善が可能です。
自然で美しい口元を取り戻したい方は、どうぞお気軽にご相談ください。