【歯を抜かずに守る選択】重度歯周炎に対する歯周組織再生療法とは?

  • 歯周病治療

Vol.100

皆様、こんばんは。さとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。

ブログもついに100回目の投稿になりました😊これからも少しずつブログを継続していきたいと思いますので、お付き合いいただければ嬉しいです。

記念すべき100回目の投稿は、私の専門の歯周組織再生療法についてご紹介させていただきたいと思います。

 

 

「奥歯が揺れて痛い」「歯医者で“抜歯しかない”と言われた」

そんなお悩みを抱える方に知っていただきたいのが、歯周組織再生療法という治療法です。

今回は、実際に当院へご来院された50代女性の患者さまの症例を通じて、歯周組織再生療法の効果や流れについてご紹介します。


■ 初診時の状態と主訴

 

患者さまは、「右下の奥歯がグラグラして痛い」とのことで来院されました。

診査の結果、歯を支える骨(歯槽骨)が大きく吸収されており、重度の歯周炎と診断されました。

中でも数本の歯は、根の先にまで及ぶほどの骨の喪失が見られ、一般的には「抜歯の適応」とされる状態でした。


■ 歯を残すための選択「歯周組織再生療法」とは?

 

このような重度の歯周炎では、従来であれば抜歯・インプラントや義歯での対応が選択されることが多いですが、

当院では可能な限りご自身の歯を残すことを第一に考え、

歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜などの歯周組織を再生させる「歯周組織再生療法」をご提案しました。


■ 治療の流れ

 

まずは歯周基本治療として、歯石の除去や徹底的なプラークコントロールを行い、歯ぐきの炎症を軽減させます。

その後、再評価を行い、保存の可能性がある歯に対して再生療法を実施しました。

再生療法では、感染組織の除去後、エムドゲイン®︎やリグロス®︎などの再生材料を用いて歯周組織の再構築を図ります。

術後は感染防止に注意しながら定期的に経過を確認し、治癒を待ちます。


■ 結果と経過

 

術後6か月と定期的にX線写真検査や歯周ポケット検査を行ったところ、歯槽骨の再生が明らかとなり、歯の動揺も軽減。

「以前のような痛みがなくなり、しっかり噛めるようになった」と、患者さまにも非常に満足いただけました。

下顎前歯と左下第一大臼歯に歯周組織再生療法を実施しました。その術前・術後の比較をすると歯周ポケットは浅く改善し、歯周状態が安定していることがわかります。


■ 歯周組織再生療法の費用と注意点

  • 治療費用:110,000円(税込)/1歯

     ※自由診療のため保険適用外です。

  • 治療期間:約2年間
  • 担当医:佐藤公麿

 

再生療法はすべての症例に適応できるわけではなく、歯の形態や骨の欠損状態、プラークコントロールの状況などを十分に評価した上で判断する必要があります。

また、術後の経過観察や定期的なメンテナンスが非常に重要です。再発を防ぐためには、患者さまご自身による毎日のセルフケアと、定期的なプロフェッショナルケアが欠かせません。


■ 重度歯周病でも「歯を守る」ことは可能です

 

「もう抜くしかない」と諦める前に、歯を守る選択肢があることを知っていただきたいと思います。

当院では、顕微鏡を用いた精密な診断と治療を行い、患者さまの大切な歯を1本でも多く残せるよう尽力しています。

歯周病でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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