自家歯牙移植(骨に埋まった親知らずを用いた症例)

  • 歯の移植

50歳代、女性の患者さまです。

 

『右上の歯を抜いた部位に歯を作って欲しい』とのことで当院を受診されました。

 

かかりつけの歯科医院で虫歯のため右上の第一大臼歯を抜歯されたとのことですが、

その部位に歯を補う方法として、ブリッジや入れ歯ではなく、両方の歯に負担をかけないような方法を希望して当院へ来院されました。

 

 

ブリッジや入れ歯は、両隣の歯を削ったり、力の負担をかけて欠損部の歯を補うことになります。

一方で、自家歯牙移植やインプラント治療では、周りの歯に負担をかけることなく、

むしろ周りの歯の負担を減らし、守ることができる非常に有用な歯を補う方法です。

 

本症例では、左下に移植に適した形をした親知らず(単根歯)があったため、

患者さまと相談の上、この親知らずを右上欠損部に自家歯牙移植をすることとなりました。

右上の歯槽骨の高さがやや不足していたため、移植と同時に上顎洞底挙上術も併用する計画を立てました。

 

実際の治療経過です。

手術は外来の局所浸潤麻酔下で行い、約1時間程です。

移植床の形成と上顎洞底挙上術を行なった後、左下の親知らずを取り出して、右上欠損部に移植・固定を行いました。

 

移植後2-4週間後に歯内療法を行い、その後仮歯を入れて噛み合わせと清掃性を確認するのに約3ヶ月間経過観察をしてからオールセラミッククラウンを被せました。

 

術後経過は良好で、患者さまには非常に喜んで頂き、継続的にメインテナンスに通院して頂いています。

今後も注意深く経過を診させて頂きたいと思います。

 

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【担当医】

佐藤公麿

【治療期間】

自家歯牙移植手術からオールセラミッククラウンが入るまで約5ヶ月(仮歯にて約3ヶ月間経過観察)

【治療内容】

右上第一大臼歯部に左下埋伏智歯(親知らず)を自家歯牙移植(上顎洞底挙上術を伴う)

【費用】

自由診療 約20〜25万円

【リスク・副作用】

手術後の出血、腫脹などの合併症を伴うリスクがあります。また、自家歯牙移植後に歯が生着しないケースも稀にあります。

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(臨床写真の掲載については、患者さまに掲出の同意を得ております。)

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