【症例紹介】自家歯牙移植:親知らず活用できるかもしれません

  • 歯の移植

Vol.114

皆様、こんばんは。さとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。

 

「歯を抜かなければならない」と言われたとき、多くの方はインプラントやブリッジを思い浮かべるかもしれません。

しかし、ご自身の歯を移植して失った歯を回復する「自家歯牙移植」という治療方法があることをご存知でしょうか。

岡山市南区のさとう歯科クリニックでは、歯を可能な限り残す治療を大切にしており、適応症例では自家歯牙移植(autotransplantation)を積極的に行っています。

今回は、実際の症例写真とともに、自家歯牙移植について詳しく解説します。


自家歯牙移植とは

 

自家歯牙移植とは、患者さんご自身の歯(多くは親知らず)を、失われた歯の部分に移植する治療法です。

主に次のようなケースで検討されます。

・虫歯や歯周病で奥歯を抜歯する必要がある

・親知らずが残っている

・インプラント以外の方法で治療したい

・できるだけ天然歯に近い機能を回復したい

自分の歯を使うため、歯根膜が保存されるという大きなメリットがあります。

 

歯根膜があることで

  • 噛む感覚が自然

  • 骨と生理的に結合する

  • 将来的に矯正移動も可能

 

など、インプラントにはない特徴があります。


症例紹介:右下第二大臼歯への自家歯牙移植

 

今回の症例では、右下第二大臼歯(47)が歯内・歯周病変により保存困難となっていました。

 

 

そこで、右上親知らず(27)を移植歯として使用し、抜歯後早期に移植を行いました。

治療の流れは次の通りです。

  1. 保存困難歯の抜歯

  2. 親知らずの抜歯

  3. 移植窩の形成

  4. 深めに移植し固定

  5. 治癒後に歯内療法

  6. 必要に応じて矯正的挺出

  7. 仮歯で経過観察
  8. 最終補綴

 

移植後は歯根膜の治癒を待ちながら経過観察を行い、歯内療法や歯周組織の調整を行いました。

さらに、付着歯肉不足に対して遊離歯肉移植術(FGG)を併用し、歯周組織の安定を図っています。

 

 


移植後約6年の経過

 

今回の症例では、移植後約6年経過していますが、良好な咬合機能を維持しています。

最終的にはジルコニアセラミッククラウンで補綴し、機能回復と審美性を両立しました。

X線写真検査でも、移植歯周囲の骨は安定しており、長期的に良好な状態が維持されています。

自家歯牙移植は適切な症例を選択すれば、長期的に安定する治療法として知られています。


自家歯牙移植のメリット

 

自家歯牙移植には以下のようなメリットがあります。

①天然歯に近い機能

歯根膜が残るため、噛む感覚が自然です。

②骨を維持しやすい

歯根膜の働きにより骨の吸収が起こりにくい特徴があります。

③矯正治療が可能

移植した歯は矯正移動も可能です。

④インプラント以外の選択肢になる

特に若い患者さんや、親知らずが残っている患者さんでは有効な治療法です。


自家歯牙移植ができる条件

 

すべてのケースで適応になるわけではありません。

主な条件は

・移植できる歯(親知らずなど)がある

・歯根形態が適している

・骨量が確保できる

・全身状態が良好

などです。

そのため、CT検査や精密検査による診断が重要になります。


岡山で自家歯牙移植をお考えの方へ

 

岡山市南区のさとう歯科クリニックでは、

  • 歯周病専門的治療

  • マイクロスコープ治療

  • 歯周組織再生療法

  • 自家歯牙移植

 

など、歯をできるだけ残す治療に力を入れています。

「インプラントしかないと言われた」

「親知らずを活用できないか知りたい」

このような場合でも、自家歯牙移植が可能なケースがあります

自家歯牙移植をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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【担当医】

佐藤公麿

【治療期間】

自家歯牙移植手術からジルコニアセラミッククラウンが入るまで約6ヶ月

【治療内容】

右下第二大臼歯部に左上智歯(親知らず)を自家歯牙移植

【費用】

自由診療 約30-40万円

【リスク・副作用】

手術後の出血、腫脹などの合併症を伴うリスクがあります。また、自家歯牙移植後に歯が生着しないケースも稀にあります。

術後に歯根吸収やアンキローシスを起こすことがあります。

セラミッククラウンが割れることがあります。

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(臨床写真の掲載については、患者さまに掲出の同意を得ております。)

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