【症例紹介】歯根破折で抜歯となった奥歯へインプラント治療を|リッジプリザベーションの有効性

  • インプラント

Vol.103

皆さま、こんばんは。岡山市南区妹尾にあるさとう歯科クリニック 院長の佐藤公麿です。

 

今回は、「右下奥歯が痛くて噛めない」と来院された40代女性の方に対して行った、低侵襲インプラント治療のためのリッジプリザベーションを行った症例をご紹介します。


■ 主訴と診断

患者さまは、「右下の奥歯で噛むと痛い」との訴えで来院されました。

口腔内の視診や歯周組織検査、デンタルX線写真検査を行ったところ、右下第一大臼歯(6番)の歯根破折を確認しました(下図参照)。

 

歯根破折は残念ながら自然治癒しないため、保存は不可能と判断し抜歯を行うこととなりました。

 


■ リッジプリザベーションを併用した抜歯

最近では、抜歯即時インプラントを選択することも増えてきましたが、今回の症例では

 ・感染リスクのコントロール

 ・より確実な骨造成

 ・患者さまの低侵襲希望

といった理由から、まずは**リッジプリザベーション(抜歯窩温存術)**を行いました。

処置の流れは以下の通りです:

 

この際、骨補填材として**リフィット(ReFit®)**を用いることで、将来的なGBR(骨造成術)を回避し、シンプルかつ低侵襲な治療計画を立てることができました。


■ 経過観察とインプラント埋入

リッジプリザベーション後、5ヶ月間の治癒期間を設けた後、インプラントの埋入を行いました。

粘膜の状態も安定しており、歯槽骨の吸収は最小限に抑えられていました

 


■ CT画像で見る骨の変化

 

CT画像でも、治癒経過によってしっかりと骨が再生・保持されていることが確認できました。

 

■ 低侵襲で体に優しいインプラント治療を目指して

インプラント治療と聞くと「痛そう」「大がかり」といったイメージを持たれる方も多いですが、今回のように

 ・抜歯と同時にリッジプリザベーションを行う

 ・骨の変化を最小限に抑え、治癒期間をしっかり設ける

 ・GBRなしで確実な埋入を行う

 

といった計画的なステップを踏むことで、体への負担を抑えた低侵襲なインプラント治療が可能になります。


■ まとめ

今回のようなケースでは、無理に抜歯即時インプラントを行うよりも、一手間かけた骨温存処置を行うことで、より安全で長持ちするインプラント治療が実現できます。

「歯を抜いたあとの治療方法に悩んでいる」

「できるだけ体に負担の少ない治療を受けたい」

そんな方は、ぜひ一度当院までご相談ください。


■ 自由診療費用の目安

 ・リッジプリザベーション(リフィット使用):¥55,000(税込)

 

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