歯を失った際の治療方法【自家歯牙移植とインプラント治療】

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  • 歯の移植

皆さま、こんばんは。院長の佐藤公麿です。

 

不幸にも歯周病、虫歯、歯根破折などによってどんなに手を施しても歯を失ってしまう場合があります。その場合には、何かしらの方法で歯を補う治療が必要になります。

 

治療方法としては①入れ歯、②ブリッジ、③インプラント、④自家歯牙移植の4つが考えられます。

①と②は、周りの歯に留め金をかけたり削って被せることで、周りの歯に負担を強いる治療です。

③と④は、周りの歯に負担をかけることなく、むしろ負担を減らし周りの歯を守る治療です。

 

 

当院では開業以来、自家歯牙移植が行える場合にはインプラント治療よりも、できるだけ自家歯牙移植を行うように努めてきました(開業から2022年3月現在、4年6ヶ月間で自家歯牙移植症例は約50症例)。

 

全ての症例で自家歯牙移植が行えるわけではありませんし、術後のアンキローシスや歯根の外部吸収など、予後が不良になる可能性もありますが、自家歯牙移植には移植ドナー歯に歯根膜という組織があることで骨再生に有利であったり、歯根膜中の筋紡錘の存在によって咬合力を感知・調整が可能であったりと、様々な面でメリットがあります。

 

それでは、本日の症例紹介です。

50代女性の方で、『左下奥歯が噛むと痛い』とのことで来院されました。

 

左下第二小臼歯と第二大臼歯の歯根が大きく割れており、両歯共に保存するのが困難な状態でした。

これ以上歯を失いたくないという患者さまの強いご希望があり、今回は【周りの歯に負担をかけず、周りの歯の負担を減らし守る治療】である自家歯牙移植とインプラント治療で対応させていただくこととしました(第一大臼歯部にインプラント治療を、第二大臼歯部に右下智歯をドナー歯として自家歯牙移植を施術しました)。

 

現在は、手術後1年が経過して補綴装置を装着の上、定期メインテナンスに通院頂く中で経過観察中です。患者さまの良好なプラークコントロールにも助けられ、現在のところ歯周状態も良好に維持することができ、何でも美味しくお食事していただけています。今後も、注意深く経過を追っていきたいと思います。

 

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【担当医】

佐藤公麿

【治療期間】

約1年4ヶ月間

【治療内容】

左下第一大臼歯部にインプラント治療を左下第二大臼歯部に右下智歯をドナー歯として自家歯牙移植を行いました。

【費用】

自由診療

自家歯牙移植:約20万円(症例、難易度によって異なる)

インプラント治療:約40万円(症例、難易度によって異なる)

【リスク・副作用】

・非常に強い力でセラミックの被せ物が欠けることがあります。

・不良な口腔衛生や過度の噛み合わせの力など、種々の要因でインプラント体に感染が起こる可能性があります。

・将来的に、顎骨の生理的な変化に伴い、インプラントの上部構造と周りの歯の長さや歯と歯の隙間に不調和が生じ、上部構造のやり直しが必要になる可能性があります。

・手術後の出血、腫脹などの合併症を伴うリスクがあります。また、自家歯牙移植後に歯が生着しないケースも稀にあります。

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